インド (コナラーク)
インドの時間はノー、プロブレム

「ところで、なぜ止まっているんだい」
「さー」
「いつ、動くんだい」
「さー、ノープロブレム」
汽車はインドの東部、プリー駅(カルカッタの下)を出発して、2つ目の地図にもない小さなローカル駅に止まったまま、すでに5時間が過ぎようとしている。事故でもあったのであろうか1pも動かない。インド人の口癖は「ノー、プロブレム (問題無いよ) 」本当に問題があってもいつも「ノー、プロブレム」であるが。
お客はのんびりしたもので、全員がプラットホームに降り、家族単位でビニールシートの上で輪になって昼食を取っている。さて、私はというと、もちろん隣に座っていたインド人家族の一員としてちゃっかり輪の仲間に入っている。
インドの食事はカレーである。朝、昼、夜とカレーなのである。ひょっとしたら庶民はもっとおいしい物を食べているのではと期待したが、弁当から出てきたのは、やはりカレーであった。じゃ、辛くないのではと期待したが、水無しでは食べられない辛さであった。インド人は一生カレーしか食べないのだろうか?このインド人に一度オムレツやコロッケを騙してでもいいから食べさして上げたい。興味津々である。


インドの時間はゆったりと流れる。汽車が止まっている理由を知っても、汽車が動く時間に変化は無い。汽車が動く時間を知っても、動くときには動くのであり、待つ時間に変わりは無い。誰も文句も言わないし、誰も騒ぎもしない。インドに着いた頃は腹が立ったものだが、2ヶ月、3ヶ月立ち、皮膚も真っ黒に焼けると時間はゆっくり流れるようになった。16時間後、汽車は汽笛を鳴らして動き始めた。
プリー近郊「太陽神の馬車」新婚旅行のメッカ
文、写真 寺島